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2021.07.23【日本体育大学女子サッカー部#2】勝負強さに隠されたアツい想いと彼女たちが望む今後の女子サッカー界とは - 数々の伝統と応援を糧に突き進む日体大女子サッカー部
数々のタイトルを勝ち取り、多くのトツプ選手を輩出している日本体育大学女子サッカー部。#2では日々サッカーと向き合う彼女たちのアツい想いと日体大女子サッカー部の強さの軌跡を辿る。
― まずはお二人がサッカーと出会ったきっかけを教えてください。
李誠雅さん:私がサッカーを始めたのは幼稚園の頃。外で遊ぶことが好きだったということもあり自然にサッカーをするようになっていた。小さい頃からゴールを決めることが好きで、ゴールを決めた時の嬉しさや興奮を小さい子なりに感じたことがきっかけで本格的にサッカーを始めるようになった。
文道真音さん:私はサッカーをやっておらず、小学生の時からバドミントンをしていた。ただケガの影響で大学ではスポーツを続けることを断念していたところ、女子サッカー部のマネージャーの募集を目にして見学に行き、女子サッカーに魅かれマネージャーとしての入部を決意した。
― 文道さんは実際に女子サッカー部に見学に行き、どういうところに魅力を感じられたのですか?
文道真音さん:今まで団体競技をしたことがなかったので女子サッカーを見て、全員で1つのゴールに向かう姿や一つの目標に向かってみんなで頑張れるところに魅力を感じた。また仕事の内容としても、なでしこリーグの運営など自分にとってプラスになることが多いなという印象を持って入部を決意した。
― そんな日体大女子サッカー部に入部してからの一番の思い出は何ですか?
李誠雅さん:いっぱいある…!一年生の夏合宿の時に熱中症で倒れてしまった…その時にハイエースの荷台に乗せされて山を下り病院に連れて行かれたことが日体大ぽくって思い出(笑)というのは冗談で…笑1年生の時に早稲田大学の連覇を阻止できたことやなでしこリーグ一部残留できたこと、去年のインカレ準決勝で敗れたことなどたくさんある!
文道真音さん:1年生の時にインカレで優勝したことが一番うれしかったこと!マネージャー業務をしている中で苦しいことや辛いこともたくさんあるが「優勝」で全てが吹き飛んだ。みんなの頑張っている姿を見て自分も頑張ろうと思えた瞬間だった。
― お二人が思う日体大女子サッカー部の良いところ、アピールポイントを教えてください!
李誠雅さん:日体大は勝負に強い!追い込まれた時のここ一番が強いところ!なぜ強いのだろう…と考えてみると、先輩たちが築き上げてくださった伝統や日本一をたくさん取っているプライド、あとは部員数が多いため活躍できる選手もいれば悔しい思いをしている選手も多いというところでピッチに立っている選手はたくさんの選手の思いを背負って戦うことができるから強いのではないかと思う。今は他大も力をつけてきており良い選手もたくさんいるが、ここは日体大の強みであり他大にはない良さなのではないかと思う。
文道真音さん:部活やサッカーに対する気持ちの強さをとても感じる。部活の体制も今年から大きく変わり、一人一人に役職が充てられている中で、サッカー以外の部分に対しても真摯に向き合っている姿はすごくかっこよく、誇らしいと思う。
― 李誠雅さんの言う、先輩たちが築き上げてきた伝統や緊張感などを維持させるために日頃練習で意識されていることは何かありますか?
李誠雅さん:スキルが高い選手が多い反面、周りに流されやすい選手や和気あいあいとしすぎて気が緩んでいる選手がいることもある。その際は練習後に呼び出してとやかく言うのではなく、たとえ練習をストップさせてしまったとしてもその場で自分自身が感じたこと、思ったことはメンバーに共有し本気で伝えることは意識している。
― 大槻監督の立場から見ての日体大女子サッカー部の強さも教えてください。
大槻茂久監督:2人からの話にもあったように伝統的に勝負強さがあり、大舞台でも力を発揮できることが強みであると感じている。今年からなでしこリーグで戦うメンバーについては主力である社会人メンバーが抜けてしまったことで学生主体のチームである。しかし、学生が自立し、主体的に活動していくことで、より成長してくれるのではと期待している。
また、なでしこリーグへ参入しているという点も日体大女子サッカー部としての大きな強みである。高いレベルの試合を経験できること、他大と比べ人代表スタッフなど多くの人に見てもらえる機会も多い。そして、大学の枠を超え、社会人とプレーする環境があることでよりプロ意識の高い選手たちと試合を通して交流ができるというところのメリットも大きい。
さらに、全部員がリーグ運営やチーム運営に携わっていること、広報やスポンサー活動などで様々な大人の方々と関わりを持たせていただくことで、サッカー選手としてだけでなく、人としても成長する機会に恵まれていることはとても有難いことである。
― なでしこリーグにも参入されている日体大女子サッカーですが、『女子サッカー』の競技普及についてそれぞれご自身のお考えをお聞かせください!
大槻茂久監督:男子も女子も真剣にサッカーを楽しむという点では変わりはないと思う。しかしながら、女子サッカーに長く携わっていく中で、やはり男子と比較されることもあります。
日本の女子サッカーは、なでしこJAPANが2011年にワールドカップで初優勝しました。またU-20、U-17代表も世界一となり、FIFA主催の世界大会において全カテゴリー制覇という史上初の快挙を成し遂げていますので、そういったことをより今後アピールすべきだと考える。もう少し女子サッカーを見てもらえる機会や魅力を伝える取り組みも必要である。今後もなでしこJAPANが世界で活躍することで、それを見た子供たちが憧れを抱き、女子サッカーに興味を持ってもらえれば良いなと考える。普及活動の面では、特に若い年代での女子サッカーの環境作りや整備、サッカークリニックなどの普及活動も重要であると考える。
そして、我々が所属している大学女子サッカー連盟としては、選手の育成や強化はもちろんのこと、指導者や審判、トレーナーや運営スタッフなど将来日本の女子サッカーを支える人材を育成することが使命でもあると考える。
李誠雅さん:今年からなでしこリーグは全試合YouTubeなどの配信がスタートするがそういった取り組みは以前から積極的に行ってほしかったな…とは個人的に思う。今後はよりメディアにも多く露出していくことで日本の女子サッカーを認知してもらえる活動が増えていくと良いと思う。選手としては以前のワールドカップ優勝の時の女子サッカーブームがまた来るよう強くなるため練習を頑張るのみだと思う。
文道真音さん:自分自身、今は女子サッカー界に携わっていることで競技を身近に感じているが全く女子サッカーに携わっていないときは競技について何も知らなかった。だからこそ今後はなでしこリーグや女子サッカーをより多くの人に見てもらえるような広報活動を行ってまずは一度女子サッカーを観戦してほしい!一度女子サッカーを見てもらえれば選手のカッコよさや迫力は伝わると思うので一度見てもらえるきっかけやイベントを作っていきたい。
【日本体育大学女子サッカー部#1】はコチラ>>
【日本体育大学女子サッカー部#3】はコチラ>>
<部活動紹介>
日本体育大学 学友会 サッカー部
1985年に創部された日本体育大学女子サッカー部は、インカレ最多優勝回数を誇り、ユニバシアードやなでしこジャパンにも多くの選手を送るなど、日本女子サッカー界を牽引。現在は、プレナスなでしこリーグ1部を筆頭に、関東大学女子サッカーリーグ1部、神奈川県リーグ1部に参加し、どのリーグにおいても優勝を目指し厳しいトレーニングを重ねている。また、なでしこリーグに参戦するチームは「日体大FIELDS横浜」として、地域の方々に愛される日本一のクラブチームを目指し活動中。