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2021.06.25

【早稲田大学レスリング部#2】 “やらされる練習”から”自主的な練習”へ - 競技力よりも重視する人間力

練習メニューの作成もスポンサー営業活動も学生自身が考え、行動をしているという早稲田大学レスリング部。自主的な活動の背景にはどのような思いがあるのか。#2では、レスリング部の魅力や協議を続ける理由についてお話を伺った。

― 大学でも競技を続けようと思ったきっかけは何ですか?

谷口虎徹さん:本当は大学でレスリングを続けるか迷っていた時期があった。結局続けようと思ったキッカケは高校生の時に指導を仰いでいた恩師が大学の進路も一緒に考えてくれていた中でその先生に恩返しをしたい、大学で日本一を取りたいという思いが強くなり続けることに決めた。

伊藤海さん:兄が友達に勧められてレスリングを始め、小学生の頃からオリンピックに出場したいという目標をずっと掲げてきた。具体的に2024年のパリ五輪を目指そうと決めていたので大学での競技継続に迷いはなかった。その中で私が早稲田大学で競技を続けようと思ったのは6つ年の離れた兄も早稲田大学を卒業しており文武両道で頑張っている姿を見ていたから。自分も勉学もレスリングもしっかりと集中でき、最終的にはオリンピックの出場を目指せる。そういった環境が整っていた早稲田大学での競技生活継続を決心した。

安楽龍馬さん:大学で競技を辞めるという選択肢が無かった。自分自身も3歳の頃から父の影響でレスリングを始めていて、目指していたのが東京五輪出場だった。五輪出場を達成するためにはどの大学が一番自分の中で合っているかという点で大学進学を考えていた。自身が通っていた高校では自主性を高める、自分で考える練習を続けており、大学でも継続してそういった環境での競技継続を望んでいたところ学生主体で練習をする早稲田大学レスリング部に出会い入部を決意した。

― 谷口さんが大学でも続けようと決めたキッカケの恩師との一番の思い出は何かありますか?

谷口虎徹さん:JOCの決勝の試合で普段あまり感情的ではなく喜ぶ姿などを見せない先生が、自分が格上相手の試合で勝利した際にセコンドで手を叩いて喜んでくれていた姿が一番の印象的な姿であり一番の思い出。

― 早稲田大学レスリング部では学生主体で練習されているということですが練習メニューなども学生が考えているのですか?

安楽龍馬さん:現在、私が主将を務めているので学生の代表として監督やコーチと相談のうえ練習メニューを構成してもらっている。それぞれ部員の目標も異なるので、練習の場をまとめつつ部員それぞれが自分自身で考え練習に取り組めるように促している。

― レスリングの魅力を教えてください!

安楽龍馬さん:一番難しい質問かもしれません…。レスリングは1:1の対面スポーツで駆け引きなど競技をしていて、魅力だと感じている。ただ客観的なところでいうとダイナミックな技が挙げられる。柔道だと柔道着を掴んでの技かけだがレスリングは本当に肌身だけで戦うスポーツなのでより高い技術が求められると思う。

谷口虎徹さん:ダイナミックな技はレスリングをしていない人から見ると衝撃的で驚きがあると思う。あとは心理戦な所や駆け引き、緊張感はセコンドに立っている自分しか分からないが非常に面白い。

伊藤海さん:自分の経験でもあるがラスト数秒での逆転勝ちがあるのもレスリングの魅力。レスリングは6分間戦うが本当に残り数秒まで結果が分からないし、残り数秒まで諦めず戦えば勝てることもある。そういうところは見ている人にも面白さとして伝わるのではないかと思う。

― 早稲田大学レスリング部に入部して今に至るまでで印象的だったことや思い出はありますか?

谷口虎徹さん:コロナの影響もあり部としてのイベントや大会も軒並み中止になってしまっているのでこれ!といった一大イベントの思い出はあまり無いが今は日頃の何気ない日常や毎日の部活動がとても楽しい。早稲田大学は他の大学と比べあまり部員数が多くはなく、総部員数が20名程度なので先輩や同期、後輩1人1人と密にコミュニケーションを取りながら信頼関係を築くことができているという点でも毎日を充実して過ごせている。

安楽龍馬さん:自分が試合に出ていた時に観客席から全力で部員が応援してくれている風景。部員数が少ない中、他大の大所帯に負けないくらいの声援を送ってくれることは力になるし、部としての団結を感じることができる。この瞬間はすごく印象に残っている。

伊藤海さん:練習時に先輩たちが技などを丁寧に男女問わず教えて下さるので毎日毎日が勉強になり、刺激的な毎日を過ごせていることが印象的。
 

 
― より密に1人1人とコミュニケーションを取りながら過ごせているということですが何か後輩や先輩とのコミュニケーションを図る上で気を付けている点はありますか?

谷口虎徹さん:近すぎず、遠すぎずよい距離感で対峙するようにしている。安楽さんとは2つ学年が離れているがそういう気もしないくらい他愛もない会話をしながら面倒もたくさん見てもらっている。高校では上下関係が厳しく、2つ上の先輩との思い出があまり思い浮かばない…。

安楽龍馬さん:後輩の中で一番谷口とはコミュニケーションを取っていると思う。練習前に他愛もない話をしたりちょっかいを出したり出されたり…笑。でもONとOFFははっきりしてメリハリをつけられているからこそ、こういった関係が築けていると思うし、後輩たちにもそこはきちんと伝えるようにしている。このメリハリがある部分は早稲田大学の良いところでもあると思う。みんな仲も良く切磋琢磨しながらON/OFF切り替えができる、これは早稲田大学レスリング部の魅力!

― 早稲田大学レスリング部の魅力、アピールポイントはありますか?

安楽龍馬さん:競技面でももちろんレベルアップできると思うが人間としても大きく成長できる環境が整っていると思う。レスリングも大事だが、人間関係やつながりも強いという点は早稲田大学レスリング部の強みではないかと思う。また早稲田大学は他の多くの部活動も高いレベルで活動している。そういったところからも刺激を受けながら競技に集中できるところもアピールポイント。

谷口虎徹さん:自分自身高校生の時、入部前に見学した時は先輩たちがすごく怖そうに見えた…。また「レスリングが強い部活=たくさんの実践的な練習を時間をかけて行っている」というイメージもあった。ただ早稲田大学レスリング部に入部してみると練習時間も1時間の短期集中型でコミュニケーションという部分でも先輩後輩と多く取れている。練習に対してもコミュニケーションという観点でも自身のギャップを良い意味で覆されたということも早稲田大学のアピールポイントとして伝えたい。

伊藤海さん:高校の時はやらされる練習が多かったが、大学に入ってからは自主性をすごく求められ、高めることができている。また技術面でも非常に高いレベルで吸収できる環境があるのも早稲田大学レスリング部の良いところだと思う。

― 後輩から先輩へのメッセージ

伊藤海さん:4月に入部した際はすごく緊張していたが、みなさん優しく話しかけて下さりとても打ち解けやすい環境を作ってくださっていてとても嬉しかった。今後も技術面でもたくさん教えて指導してほしい!

谷口虎徹さん:1年生の時からたくさん面倒を見て下さっているが多くの先輩が口をそろえておっしゃるのが『自分が先輩にしてもらったことは後輩にしてあげろよ』ということ。自身に後輩ができてから、より先輩の気持ちを理解できるようになってきた。このみなさんが繋げてきた『後輩の為に!』という伝統は続けていきたいと思う。

― 先輩から後輩へのメッセージ

安楽龍馬さん:学生生活はあっという間だと強く実感しているところ。自分自身もそうですが後悔しない学校生活を送ってほしい。レスリングもしかり、普段の生活での友達とのつながりも大事にしつつ学生生活を過ごしてほしい。

― 今後の目標

安楽龍馬さん:直近の目標は全日本選手権を視野に、残りの学生生活を悔いなく過ごしていきたい。また2024年のパリ五輪出場に向けても日々精進していきたい。

谷口虎徹さん:自分の大学4年間の目標は日本一を取ること。日本一のタイトルを取り、悔いなく選手生活を終えられるよう頑張りたい。

伊藤海さん:大学に入学して4月に出場した大会では優勝することができ良いスタートを切ることができたので今後の全日本大会でも優勝を目指したい。そして大学4年生の時に迎えるパリ五輪出場に向けて練習を続けたい。

 
【早稲田大学レスリング部 #1】はコチラ>>
 

<部活動紹介>
早稲田大学レスリング部
早稲田大学レスリング部は日本レスリングの発祥の地。常に学生が主体となって動いており、部員一人ひとりが個人目標、そしてチーム目標のために日々練習に励んでいる。2019年度には延べ12名が日本一に。また、東京2020オリンピック競技大会に出場する選手も在籍している。所属学生の総合タイトル数は166個にのぼる。その他、現在30社以上の企業から協賛を得るなど、学生自身が主体的にスポンサーを獲得するための活動も積極的に行っている。
 

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