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2021.02.19【神奈川大学スキー部 #1】先輩としてあるべき姿に苦悩した - それぞれの立場でもがき、試行錯誤した1年
部員16名の神奈川大学スキー部。地方への移動や大勢集まっての部活動が制限される中、どのような苦悩があるのか。YELL!!取材初の冬季種目のスキー部の活動を、創部から50年でもがく4年生、3年生、部長の3名に聞いた。
― 緊急事態宣言発令中の今、部活動の活動状況はいかがですか。
吉田龍次さん:もともとシーズン中はは個人での活動がメインとなっており、冬場はバラバラに活動している。それぞれが地元のスキー場に戻り、各自で課題を解決するための練習を行っている。現時点では、特に練習量が減っている、練習が思うようにできていない、という印象はない。
須賀歩夢さん:今のところ例年以上に多くの時間を練習にあてられている気がする。実家に戻っており、大学に通っているときよりも練習時間が確保することができ、プラスになっている。コロナで悪いことばかりだったが、長く練習できることはよかった。
― シーズン中はプラスの効果があるようですが、オフシーズンはどのような練習をしていますか。
吉田龍次さん:4月に入り大学が始まれば学内で、ランニングやウエイトトレーニングなどの基礎的な練習を重点的に行っている。前回の緊急事態宣言発令時は、かなり部活動としての活動を制限されてしまいほとんどが自主練になってしまった。部としては、週に2回、Zoomを活用して皆で集まってオンライントレーニングを実施していた。
― Zoomを使ったトレーニングは具体的にどのような練習をされていましたか。
吉田龍次さん:室内でできる簡単なトレーニングや体幹など自重トレーニングがメインだったが、物足りなさを感じていた。自宅近くのジムも閉鎖されており満足のいくトレーニングができず、筋肉が落ちてしまい体重も4~5kg落ちてしまい大変だった。
須賀歩夢さん:自粛期間はケガもあり、リハビリがメインの期間だった。例年であれば、自分自身も練習量やその内容に対して物足りなさを感じていたと思う。
石濱慎司さん:2020年2月下旬、インカレ終了直後に新型コロナウイルス対策拡大の影響を受け、自粛要請。3月以降スキーの大会が全て無くなり4月には緊急事態宣言…。学校も休校となり5月に授業再開というタイミングで、オンライン授業がメインとなってしまった。上級生を中心に今後どのようにしていくべきかミーティングを実施した。何もやらないわけにはいかないという思いと、5人の新入生含めてきちんと顔を合わせ何かしようという思いから、まずはZoomを使ってのオンライントレーニングを開始したのがはじまりだった。
― ではその5人の1年生とはコミュニケーションが取りづらい状態が続いてしまったのですね。
吉田龍次さん:最初の方はZoomで選手だけで集まり、会話をすることでコミュニケーションが取れるよう努めていたが、やはり画面越しということもあり微妙な感じになってしまった…。いかにコミュニケーションを取るかが最大の課題だった。
― 1年生とのコミュニケーションで気をつけていたこと、意識していたことはありますか。
須賀歩夢さん:Zoomという形式だったこともあり分からないことも多く、仲良くなるということに非常に難しさを感じた。やはり対面で話すのとは全然違った…。対面のコミュニケーションの大切さを痛感した。
吉田龍次さん:色々考えてやってみたが、あまりうまくいかなかった…。もともと上下関係が厳しい部活ではなく、1年生から4年生まで仲良く話せる雰囲気だったので、1年生にも伝えたかったがなかなかZoomでは伝わりきらなかった。オンライン上では、相手に自分の意図が伝わっているかが不安になることもあった。
― 対してコロナ禍でのプラス要素は何かありましたか。
須賀歩夢さん:授業がオンラインになり実家にも戻れたことで、授業が終わったらすぐに練習に移れるようになったことが利点だと感じている。終わる時間もある程度読めるし、移動時間のストレスも無いので練習への気持ちの切り替えがとてもしやすくなった。
石濱慎司さん:部活動でも、部員の顔を見ていつもとの違いについて気づくことが出来た。声をかけると不安や悩みも多く聞こえてきていたのが現実。授業でも必ずアンケート等で授業の感想を学生に記入させ、回収していた。そうすると悩みを抱えている学生を意外と多く見受けられ、教授同士でも情報共有をしながら様々な工夫をしていた。
<部活動紹介>
学校法人 神奈川大学 スキー部
神奈川大学スキー部は、総勢16名の部員で活動している創部から50年のチーム。ここ10年で4部、3部、2部、1部と確実にステップアップを遂げている。コミュニケーションを最重要視し、競技力の向上はもちろん、人間力の形成にも力を入れて活動している。