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2021.01.29【神奈川大学女子サッカー部 #2】 サッカーを続けるために何をすべきか考える力が必要 - コロナ禍でも追求し続ける神大スタイル
関東大学女子サッカー連盟に所属する神奈川大学女子サッカー部。目標に向かって日々切磋琢磨する彼女たちをコーチはどう見ているのか、コロナ禍で何を感じたのか。#2では、コーチの澤野宏之さんに指導者目線でのお話しを伺った。
― コロナ禍での学生と対峙する際に、気をつけていることはありますか。
澤野宏之さん:部活動を再開できるようになって一番の不安はフィジカル面だった。ケガへのリスクが高まることから段階的にトレーニングの強度を上げていき、急がず焦らずじっくりコンディションを調整していけるよう心掛けていた。また、全体練習を再開するまでの期間において、メンタル的な不安も感じていた。一人でいることへの不安やコミュニケーションが取れないこと、これからのチームがどうなるのかというのは不安の種として学生たちがもっているのではないかと懸念していた。この不安を取り除くためにも、オンラインでのミーティングを頻繁に行っていた。部活動の一週間のスケジュール(通常、月曜はOFF・金曜は自主トレ)を崩さないよう工夫していた。
― withコロナが続いていく中で部活動はどうあるべきだと思いますか。
澤野宏之さん:どうしたらサッカーを含め、スポーツ活動が継続できるかを考えることに指導者は尽力すべきだと考えている。2021年1月に発令された緊急事態宣言は前回(2020年4月)よりも規制が緩いと捉えがちだが、実際にはそのようには解釈していない。むしろスポーツを取り巻く環境、特に大学スポーツについてはさらに厳しい状況にあると実感している。例えば、部活動に限らず、学校内での体調不良者の管理が当初よりもかなり厳しくなっている。そういったことを考えると、「今無理をして部活動に参加した場合、どのようなリスクがあるか」「本当に皆が集まるべきなのか」などリスクを考え、先を見据えた行動、判断が求められる。選手たちにも「自分自身がサッカーを続けるためには今何をすべきか」「何ができるか」を考えて行動することの大切さを伝えていきたい。
― 大学女子サッカー界の、今後の大会開催予定について教えてください。
澤野宏之さん:大学女子サッカーに限らず、サッカー界はプロリーグが率先してどのような対策をしたら開催ができるかを考え行動してくれていることもあり、リーグ戦も現状は開催予定でスケジュールは進んでいる。ただ、今回の緊急事態宣言を受けて大会によっては出場を辞退するチームが出た事例もあるため、自分たちもそういった状況になる可能性があることを肝に銘じ、万全の対策を講じて大会に向けて準備を行っていく。
誰も経験したことのないコロナ禍。より生徒たちに寄り添いながら日々神大女子サッカーに向き合う澤野先生。そんな澤野先生から見える学生たちの姿、思いも語ってくれた。
―スタッフ内で指導に際して、共有している意識やテーマはありますか。
澤野宏之さん:大学までサッカーを続ける学生は一定基準の指導やトレーニングを積み重ねてきていると思っている。何かを強制するのではなく、自分の色、特徴を前面に出せるサッカーをしてほしいと思っている。そういう観点からも、楽しみながら伸び伸びとサッカーをしてほしいという思いはスタッフでも共有している。
―4年生との一番の思い出について教えてください。
澤野宏之さん:神奈川大学に赴任して今年度で5年目。今年の卒業生は大学入学前から知っていた子たちということもあり、共に戦った大会や日々の練習は色濃く思い出に残っている。最後の1年はすごく大変な年で悔しい結果に終わってしまったが、良く戦い抜いたなという思いもある。そんな4年生が卒業してしまうのは嬉しくも寂しい…
― 4年生へのメッセージ。
澤野宏之さん:個性豊かな4年生だったがチームにもたらしてくれた影響は大きかった。非常にアグレッシブで攻守に積極的な神大のスタイルを作り上げるなど、チームに大きな変化を与えてくれたと思っている。この4年間でインカレに3度出場し、そのうち1回は準優勝。B・Cチームにおいても、皇后杯神奈川大会を優勝、神奈川県リーグ1部を優勝するなど、これまでにない活躍をチーム全体で演じてくれた。今年は悔しい結果に終わってしまったが、この厳しい状況の中でも戦い続けられたのは4年生の個性があったからだと思うので、非常に感謝している。大学を卒業するにあたって今後もサッカーを続ける人、ここで区切りをつける人など様々だと思うが、どこにいても、どんな環境であっても自分の色を出していけるかどうかが重要だと思う。自分の色を出していくためには、チャレンジが必要。チャレンジするということはどのステージであっても楽しいことだと思うので、どんどん挑戦して、自分たちの長所を発揮してほしい。
―1~3年生へのメッセージ。
澤野宏之さん:インカレに出場できなかったという悔しい経験も必ず糧になる。リーグ戦を戦い抜く中で自分たちができること、できないことが明確に見えてくるはず。様々な経験をして、自分たちのカラーを発揮していってほしい。そのための礎は4年生が築いてくれたので、先輩たちの背中を追いかけつつ、新しい神大スタイルを確立しながら頑張ってほしい。学年が上がっても、小さくまとまることなく、自身が成長するためにはどうすれば良いかを常に考え、たくさんもがいてサッカーの醍醐味を味わえる1年にしてほしいと思う。私も全力でそのお手伝いをしていきたい。
【神奈川大学女子サッカー部 #1】はコチラ>>
【神奈川大学女子サッカー部 #3】はコチラ>>
<部活動紹介>
学校法人 神奈川大学 女子サッカー部
神奈川大学女子サッカー部は、総勢70名以上の部員を3チームに分け、関東1部リーグ、神奈川県1部リーグに2チームが出場している。皇后杯JFA全日本女子サッカー選手権大会予選にもそれぞれの3チームが出場。関東大学女子サッカーリーグ1部に所属し、 チームの最大目標である全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)優勝を目指して活動中。
Photo © 神奈川大学女子サッカー部